モバイル(スマホ)の表示速度(ページスピード)がまた重要になったようです。
昨晩、寝ようと布団に入ってから、南海キャンディーズ山里亮太の不毛な議論を聴きながら、ボーッとTwitterを見ていたら、SEOの神様がこんなつぶやきをして、TL内の有用な議論を食い入るように見ながら色々と考えていたら、朝でした。
以下に神様のツイートを4つ埋め込んでますので詳細はそちらやGoogle先生の方をご確認いただくとして、ざっくり説明すると、ページ表示速度はPCについてだけ特に遅いサイトが順位マイナス評価を受けていたけど、2018年7月以降はモバイル(スマホ)検索にも影響するようになったということのようです。
2018/7からページの速度がモバイル検索のランキングに影響するようになる、という新発表。これは前提知識が必要で今はPCページの速度がわずかに影響しているがモバイルページは影響しない問題があった。(続く / “Official …” https://t.co/6i4ybxgISt
— 辻正浩 | Masahiro Tsuji (@tsuj) 2018年1月17日
続き)PCページの速度がわずかにというのは、PC版ページが「特に遅いページ」だけ順位もマイナス評価になるもので、一般サイトはほぼ+-が無いのが現状。これは、モバイルページが極端に遅くてもPCさえ普通ならマイナスにならない問題やその逆も指摘されていました。(続く
— 辻正浩 | Masahiro Tsuji (@tsuj) 2018年1月17日
続き)今回の発表で7月以後はモバイル検索にも影響するようになったのは確かですが、「極端に遅いページだけがネガティブ」という現状の仕様が変わるか、それとももっとフレキシブルになるかとかは不明。今回の発表でも後半でいくつか書いていますけど、user’s experienceのためとの記載ですね。(続く
— 辻正浩 | Masahiro Tsuji (@tsuj) 2018年1月17日
続き)過去に、モバイル検索ではスピードが更に重要だから極端に遅いページ以外にも影響するべきか検討する、という言及はされていましたが、それが実装されるかどうかは分からないですね。まぁ半年も先なので、まだ仕様確定すらしていないパターンかなと。今後の追加情報に期待したいです。(終)
— 辻正浩 | Masahiro Tsuji (@tsuj) 2018年1月17日
目的は(Googleで検索した際の)ユーザーエクスペリエンスの向上ですが、ページスピードが速いサイトを優遇するよりは、遅いサイトが落ちていく、という評価基準については特に違いがない模様。
その後、こんなツイートも。
こういうことなら、ユーザが強いストレスを感じるほど全体の下位数%の遅い所はランキングも落ちる、というような感じかな?
— 辻正浩 | Masahiro Tsuji (@tsuj) 2018年1月17日
こういう発表があると「高速化しないと順位落ちる!このサーバに乗り換えを!」とか煽る記事がでがちですけど無視して良さげ。
ページスピードは重要だけど、そこまでナーバスに、シビアに考えるほどは重要じゃないって判断でいいのかな。ただ、何かしらの目的があるサイトや、より若年層がターゲットだったり、ガッツリ調べるより「ながら見」の人が多いサイトはちゃんと考えていかないと、コンバージョンに大きな差が出るのは各社各サイトで実例が出ているで、個人的には、速いに越したことは無いという考えでいこうと思います。
昨年くらいからSEOの書籍も割としっかり書かれている本が増えたなと感じつつ、初心者向けと本格向けの二極化してきている印象です。入門ではどんな事を書いているのかな、ちょっと買ってみようかな、と。でも本格講座も気になる。この株式会社セブンアイズの瀧内賢さんってどんな人なんだろ。
いちばん雑で新しくないSEOの教本
なんかさ、色々な人からSEOの相談を受けたりするんだけど、だいたいいつも同じような事ばっかり話してるし、あくまで「相談」だからお金を払う意志も無いみたいだし、仕事にはならないし、でも時間は削られるし、そんなん相手してられるかいみたいな気持ちも込めて、とりあえず、せめてここに書いてる理解してから相談してきて的な意図も込めたり込めなかったり。
それでも色々な制約で外注できない人が多いんだろうなぁ。。。
とりあえず、細かいところはググっていただくことを願いつつ。
1.Googleの各サービスに登録。
サーチコンソール(サチコ)、アナリティクス、場合によってはタグマネージャーとか登録して、サイトのヘッダー内に確認コードを突っ込んだりして認識させてください。
管理したいページがどのくらいアクセスされてるとか、どんな人がどんなキーワードで検索してどのページが見られてるとか、なんかそういうのが丸っと分かるもので、やらかした時にGoogle先生からの連絡が来るのもサチコなので、これに登録してないとか、したくないとか、分からないとか、その時点でもう終了です。
ブラウザそっ閉じで。プロに相談しましょう。
2.サイトマップを送る。
サイトマップは xml 形式のファイルで「Google サイトマップ」とかでググればすぐ出てくるのでググりましょう。これを送る事はザックリ言うと検索エンジン側にうちのサイトにはこういうページがありますよってのを伝えるためのものです。
これやらないと、検索エンジンからしたら、評価のしようがないのです。
3.サイトのページはたくさん作る
何か特定の情報を調べている人にとって、5ページしかないサイトよりも50ページあるサイトの方が、関連する情報が調べられて良いサイト(のはず)です。
今年も改訂された広辞苑がどんどんページ数が多くなっているのも、たくさんの情報がある事がメリットだからです。ただ、今年の広辞苑はページ数が140ページくらい増えているのに、厚さは変わっていないらしく、そういう意味でUX的な観点からもステキやんってなります。
あとUX的にもSEO的にも表示スピードを速くするのはむっちゃ大事やんってアメリカから来た鯨理って言うかわいいおっちゃんが言ってました。
4.内容をまとめて整える
そのサイトは誰のためのサイトなの?って考えて、それを知りたい人にとって効果的なカテゴリーを考えましょう。僕の大好きなスパゲッティで考えると、こんな感じになります。
スパゲッティのサイトを作って、その中に各メニューのカテゴリーを作ります。さらに各メニューの下に、作り方や美味しいお店なんかを記載する事で、メニューを軸としたスパゲッティ情報サイトが作れます。
作り方については、自宅で料理をする方向け(女性が多そうな予感?)、美味しいお店は食べに行きたい人で、男女ともにありそう。あとここは食べに行こうと思ったけど家でもあの名店の味を再現できるんじゃね?とか作ろうと思ったけど近くに美味しいお店あるんだねーとか、回遊も狙ったりしてます。
ウンチクコラムで文字数や共起とかSEO狙い感も出しつつ、Instagramに投稿された画像をサイト独自ハッシュタグで拾って一覧表示させてテンションを高めたり。
みたいな事を、自分で作りたいサイトでやりましょう、というお話です。
5.全ページのタイトル、ディスクリプションを整える
サイトにあるページというのは、全てがランディングページと認識すること。検索エンジンで何らかを知ろうとしている人にとって、あなたのサイト内で最初に見たページは、その人にとって必要なページになってるか?を考えます。
そのために、ページ内の内容にマッチしたタイトルとディスクリプション(概要説明)を意識して作ります。間違っても検索エンジンを意識した文章にしちゃいけません。
検索エンジンを使って何かを探している人を意識したページを作り、その内容をまとめるのがタイトルとディスクリプションなのです。それが真理なのです。
6.心を整える
コンテンツをたくさん作れば順位が上がるもんでもありません。良かれと思ってやった施策が失敗することもあります。競合サイトだってがんばっています。順位なんて毎日上下動します。Google先生は気まぐれです。単純に見えてそうでもありません。でもブレません。信じるのです。自分のお客さんのことを見続けるのです。考え続けるのです。コンテンツを投下し続けるのです。
続けるのです。
絶対に当たる雨乞いは、雨が降るまで祈ったから絶対なのです。
一喜一憂してはなりません。
続けるのです。
求めよ、さらば与えられん。
諸説あり
がんばってダメならお布施してプロに相談しよう。
風俗サイトや風俗店のSEO対策はいばらの道【店舗型・無店舗型編】
もうね、タイトルが全てです。とにかく大変です。
つっても、自分で風俗店のサイトを運営している訳ではなく、回り回って相談レベルで色々と話を聞いていたら、もう涙なくして語れないレベルで切なくなってしまってね。
なぜ大変なのか、いばらの道なのか、その理由をざっくりまとめたいと思います。詳細については涙を拭きつつ、いつかそのうち。
風俗サイトや風俗店のSEO対策を行う際の問題点
いくつもある問題点を以下のように時系列でまとめて、それぞれについてコメントを記載するスタイルでやってみる。
1.社内や店舗内にSEOどころかネットやWebに明るい人がいない。
元々が風俗店なので、リアルでの営業活動が中心です。広告ではチラシとかバイト雑誌とか、時々リスティング広告に出すとか、そういうレベル。特に仲のいい制作会社がいるわけではなく、繋がりの繋がりとか知り合いレベルに相談するところから、ちょっとやってもらっている、という状況。
なので正否や真偽や効果の有無の判断ができないし、知見も溜まっていかない。
2.まともなSEO会社に断られる。
風俗関連のサイト、というだけで断られてしまう。別に法律に反することをしているかどうか、しっかり調査された訳でもないのに。 なぜか。 数年前に法律が変わり、反社会的勢力(通称:反社)だけでなく、その会社や団体や個人と取引をしただけで罰せられるようになったため、少しでも可能性があるとリスクを軽減するために断られるようになったとのこと。
まぁ中小企業の調査能力では反社かどうか、フロント企業なのか、バックとかその繋がりとか諸々なんて調べようがないのでね。
総会屋とか昔は色々あったらしいけど、詳しくは知らない。
3.怪しいSEO会社に依頼することになる。
というわけで、SEOや広告を依頼できるのが知り合いヅテか、それでも突っ込んでくる電話営業ゴリゴリのSEO会社に絞られてしまうというゆるい地獄。なんてかわいそうなの。
そんなSEO会社でできる対策なんて、ろくなもんじゃないじゃないですか。指示書にいくつかのページのタイトルとディスクリプションの変更とかを書いて、ビッグキーワードとスモールキーワードをバランス良く混ぜて、効果が出やすくして、なんなら成果報酬型にするにしても絶対上がるキーワードとか1つくらい突っ込んで、「はい上がった!お金ちょうだいね」ってなるに決まってんだもうこれ。
4.ブラックな被リンクがたくさん付く。
知らない間に、ビックリするほどユートピアの被リンクがゾロゾロ後を付いてきます。しかもね、以前ならこれがペナ対象とかだったのに、今はただただ無視されるんだぜ。サチコ(サーチコンソール)で見てても表示すらされないリンクとかあるんだぜ。
そんなリンクをお金を払って、SEO会社が下請けにぶん投げてシステムに対策URLを入れて、バレないようにちょっとずつとか調整しながら付けてるんだぜ。
壮大な無駄だよな。。。
ちなみに、この1~4を繰り返したりすることもよくある話で。
5.Google先生から圏外にすっ飛ばされる
最近は少なくなったけどね、ちょっと前まで何社も何社も経てダメで、リンク付けられて否認してを繰り返して圏外にすっ飛ばされるサイトも多かったらしくてね。まぁ仕方ないとはいえ。。。
しかも中で働いている人は色々な縁があってそこで働いているだけで、自分の目の前にある仕事に対しては真摯に向き合っている真面目な人が多くてね。無知は罪なのか!?と言いたい気持ちも出てきたりするんです。
罪じゃないけど、こんな世の中じゃ自分たちの身(生活)は知識と知恵を付けて自分たちで守っていかないといけないんだな。。。と思いました。
性風俗業界ってさ、ある意味社会のセーフティーネット、受け皿的な見方もできるわけで、そこで変な風俗サイトがトップに出るようになったら、それこそ色々な人が不幸になるし、きっとそれを見て見ぬふりをする人も出るし、得意の自己責任論でガーガー言うやつもでるし、もうそんなとこ見たくないんだよね。
店舗型はローカルSEOとかちゃんとやるといい結果に繋がるけど、もちろんみんな知らない。Google先生も風俗系のキーワードって後回しにしている感があるし。
これどうしたらいいんだろうね。
なんか店舗も無店舗も関係ない話になっちゃったけど、そのうち風俗情報サイトのことも書いてみるかもしれない。
6.おまけ(実例)情報
SEO会社に怒鳴り込む。←ガチ
SEO会社をすぐ変える。←あるある
渋谷の某Gはそろそろあのグループ会社を無くしてもいいなじゃないの?
チケットキャンプ(チケキャン)の閉鎖とクラウドソーシングと音楽業界の話【追記あり】
チケキャンの閉鎖の件は中の人から少し漏れてたのですが、やっぱりと言うか、社内とか別グループ内では法的リスクについてオフィシャルではない形の指摘はあったものの、当局からのアクションがあるまでは動かないのがWebのやり方なのか。
これも、音楽・芸能業界がサカナクション山口一郎さんを筆頭にロビー活動を通して『高額転売にNO!』というキャンペーンを通して明確な意思表示をしたことで動いたのかな、とも思います。
この辺り、チケット業界の人に少しヒアリングしてみたものの、誰もが『需要があるんだから間違ってはない』、『これが許されないルールの方がおかしい』という意識で統一されていて、「あぁ、これはいつかは叩かれるわ」と思った日が懐かしいです。
2016年のWelq休止(2017年閉鎖)に続き、Webのルール(リーンスタートアップをエクスキューズに、とりあえず作って動かして後から方針転換)でSEOをゴリゴリに推し進めて突き抜けようとしたメディア、サービスが2社とも、ビジネス的な側面では一定の成功を収めるも市場の変化という大局的なカーブを曲がりきれずにアウトに膨らみ、日本国憲法という厚い壁にぶつかり盛大に大破したのを見て「そりゃそうだよな」以外の感想は特にありません。
皆が希望を託したアイルトン・セナと比較するまでもなく、皆がいつかこうなるだろうというエックスデーが来た、それだけの事ですので熱くならずに心静かに考察してみたいと思います。
SEO視点から見たチケットキャンプ
ここからSEO的な話になるんですが、チケットキャンプは非常に強かったという認識です。最古参のチケット流通センター(通称:チケ流)や先発のチケットストリート(通称:チケスト)がSNSや口コミなど色々な手法でプロモーションする中、ガッツリSEO視点でコンテンツを大量投下していき、PVベースで一気に逆転していきます。
(後からチケストが同様の手法で追いかけるも一度着いた差は埋まらずに事業縮小へ)
ここで嫌でもWelqと同じように見えてしまうのが、ランサーズやクラウドワークスと言ったクラウドソーシングを使っていたという点です。
違う点と言えば、直接的にキーワードに関連するコンテンツを大量投下していたWelqやDeNAに大して、チケットキャンプが行った策は主に以下の2点
1.販売チケットで市場が大きいジャンルを1つのメディアとしてチケキャン内のカテゴリーの下にぶら下げ、メディア側からチケット側にサイト内リンクを多数設置。
2.実際には転売在庫が無いイベントのチケットもイベントがオフィシャルで発表されたらすぐにチケキャン内にイベントページを用意し、検索した人に対する受け皿を用意。
当時の記憶では確か月間に500記事くらいを制作し、さらにイベント・チケットページも全て網羅する勢いで作っていたはずです。
懐かしい記事が出てきたのでお時間のある時にでも見ていただければ、盛り上がっていた当時の温度感が伝わるかもしれません。
【追記2】
2017年12月28日の記事公開後にページが削除されたのでキャプチャをご用意いたしました。画像は取得できなかったですが、フンザの方が社の入り口で撮った写真が表示されておりました。↓
【追記2以上】
ちなみに、>チケットキャンプでもちゃんと募集しております。
1番のチケットジャンルメディアについて
検索エンジンからのボリュームが大きくチケット単価も高いジャンル「ジャニーズ」「韓流」「宝塚」「EXILE」「ライブ」などを独立したメディアとしてWordPressで簡単なテンプレを使って作成し、その記事作成をランサーズやクラウドワークスに発注していた。
メディアは初期からあったのが『ジャニーズ通信』『EXILE通信』『K-POP韓流ウォッチャー』『アイドルラバーズ』『ビジュアルマニア』『宝塚歌劇倶楽部』の5つで、その後『スポフリ』『ポイ☆スタ』『舞台に恋して(ブタ恋)』『みんなのセトリ』などが追加されていった。ブタ恋は2.5次元ミュージカルの盛り上がりもあり、取り扱い金額も高かったようです。
これらは、すでにどのサイトも閉鎖や休止となっていてチケキャン全ページのフッター内にあったメディアへのリンクも全て無くなっています。
※現在のサイトに表示されている文言
※以前フッターにあったリンク(赤枠はnoindexが付いている)
ちなみに、『オタキャンプ』というオタグッズのフリマサービスについては現在も継続中の模様。
オタキャンプ コンサート ライブグッズ専門 日本最大級のフリマサイト
このように、戦略的に物理でSEOをぶっ叩くような事をすることだけであれば、個人的には「悪用する」とは言えないと思うのですが、狙うコンバージョンが『チケットの転売の促進』ということで、検索エンジンでチケットを探す人の市場を絨毯爆撃のように押さえていくのは、戦術としては悪くないが、戦略としては最悪だったと思います。
結果、チケキャントップページの一階層下のチケットのカテゴリーが非常に強くなり『ジャンル+チケット』の検索結果ページに占める割合がグングン増して行きました。
※「ジャニーズ」「宝塚歌劇」といった商標登録の言葉をメディア名としてドーンと使ったことに対する法的リスクの問題もありました。
2番の無在庫チケットページの作成について
『ジャンル+チケット』の検索結果とはチケットを探す人が見るページであり、金額を無視すれば検索者の意図は「とにかくチケットが欲しい」であり、それがオフィシャルだろうがローソンだろうがイープラスだろうがヤフオクだろうが、紙チケットだろうが電子チケットだろうが、手元にチケットがあり目的とするコンサートやライブが見られれば、その途中経過はなんだっていいのが実情です。
ライブ参戦の確率を上げるため、まずはオフィシャルでの先行抽選、ファンクラブ抽選、先先行抽選などから全チケットサービスに会員登録をしてさらに友人を動員して臨みチケットの確保を目指すわけです。しかし惜しくも落選した人達は諦めきれずに一般販売を待つことになり検索をしてチケット申込情報を調べるのですが、そんな時にオフィシャルのすぐそばに ●●のチケット譲ります なんてタイトルを見つけてしまえばついクリックして見てしまうのが人情です。
そこにまだチケットが出ていなかったとしても「誰かが行けなくなってここで売るかもしれない」と思えばSafariのタブを残して定期的に見るくらいの事はしますし、チケットが登録された時にプッシュ通知が来るよう会員登録くらいはしてしまうでしょう。(そして直帰率が下がり滞在時間も上がります。)
しかしチケットに関するキーワードはエンタメ業界も含めてオフィシャルサイトから各チケットサービスにイベントを紹介するメディアのページまでもが鎬を削る激戦区。ここで1ページ目を死守するには超先行でチケットページを公開していかなくては埋もれてしまうというSEO視点が入ってきます。
ページ内容で差別化がしづらいため、Google先生は同じような内容であれば先の情報の方を優先することが多いため(キーワードによって様々)とにかく他社より速くページを公開することを是としていたようです。
実際にそれで1ページ目を獲得しているところをよく見かけました。
(ちなみに、Twitterでの受け渡しについては心あるファン同士により定価+手数料などでの売買が一般化しており、高額を要求する人はファンの間で村八分になったりと自治ができていました。)
チケキャンのマインドと二次流通の難しさ
それもこれも全部、Webだけで仕事をしてきた人達特有のマインドだったように思います。
実際に近しい人から話を聞いたことがありますが、罪悪感はほぼ無く社員レベルの人でも『そこに市場があり利便性を提供できるのだから悪いことではない』という考え方をしており、まぁ確かに一理はあるけど一理しか無いのが問題なんだよなぁ。というところを感じていました。
この点についてはダフ屋行為と二次流通の明確な線引きが分からないというルール不整備の問題もあり、業界としてどうしていくか?も今までは定まっていませんでしたし、一部では必要悪という考え方すらありました。なぜならそこには確かに 急にイベントに行けなくなったという人達が存在していながらその人達のオフィシャルな受け皿がどこにも無い という状況が続いていたからです。
また、興行主としては転売屋だろうが、自分たちの発売するチケットが一旦でも完売することが精神衛生上から非常にありがたいという側面もあります。自分たちのポケットにお金が入ってくる金額が分かればあとは制作に専念できます。
それでいいという時代も少しありましたが、しかし当日会場に人が8割ほどしか入っていないと、自由席でみんなが前方に集まっていればまだしも、指定席で歯抜けのようにまばらな客入りだとステージからは思った以上にチケットが売れていないように見えてしまいます。
これはアーティストからするとテンションが激しく落ちる事につながり、パフォーマンスの質の低下を招きます。結果、実際にイベントに参加したファンからの評価も上がらず、次回以降のコンサートやライブの集客に地味に響いてきます。
これが続くと、ライブは生物なんて言葉がありますがリアルに転売屋すら手を出さないチケットとなり、会場の規模も下げざるを得ず、人気のないアーティスト誕生に繋がります。
単純に音楽業界や芸能が古いと言い切ることでは誰も幸せになりません。確かに効率という面では悪いかもしれませんがマンパワーをかけて人と人がぶつかり合って生まれるエネルギーが作品という形で昇華され、素晴らしいパフォーマンスとなって一般の方に届いていくという流れは数値化できないものであり、これを無くして音楽が盛り上がるとは思えないからです。CDが売れないとしても他の方法で生き残り、素晴らしい作品とパフォーマンスをみんなに届けたいという熱量を絶やす事は日本のエンタメ業界全体にとってマイナスでしか無いので、その意識が無い限り調整というレベルでは何もできなかったのでしょう。
ファンにとってもアーティストにとっても、二者を繋ぐ業界にとってもいい形にするべく徐々に各社がオフィシャルな二次流通の場を作ってきていますので、今後はこちらが主流になってくれることを願ってやみません。
とりあえずチケトレは絶望的に使いづらいから至急なんとかしろ。
Webとリアルについて思う細かい雑感
ここ数年は、Webとリアルの距離が限りなくゼロに近いところまで近づいてきていて、ビジネスをする上でルールがバッティングする場面も増えてきました。Webだけで生きている人からすれば、自分たちのルールは新しく、古き悪しきルールをリプレイスしていくんだと、むしろ一種の正義感にもかられたような無垢な人が多い印象ですが、全くゼロから市場を発見したのではなく、現在の市場をリプレイスしたいのであれば、それなりにその市場に対するリスペクトや知見のある人からの意見を参考にするなど、場合によっては社外取締役や相談役として業界とのパイプを担ってもらったり、二次流通の場合なら政治へのロビー活動も必須だったのではないでしょうか。
そういえば2年前のサマーソニックで、ミクシィがでかいモンストブースをメッセ内に設置し、その一画にチケキャンブースも作ったことで、音楽・芸能業界からサマーソニックを運営するクリエイティブマンが怒られたなんて話もフワッと耳にしていました。
最古参のチケット流通センターと昨年に規模を縮小したチケットストリートはどうなってしまうんでしょうか。また、転売屋はどこへいくのか、チケットを買えなかった人達は次はどこで探すのか。MERYロスのように、チケキャンロスを招くのか。
12月吉日
メルカリの方向を眺めながら
皆さま良いお年を。
P.S
国内No1の安心チケット売買サイトの文字が悲しく残ります
【追記】
これは完全にアウトでした。高額転売をする転売業者とグルと言われても仕方ないレベルです本当にありがとうございました。
>チケキャン、手数料ゼロで転売業者優遇 自ら規約違反か (朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース
参考資料