医療系サイトでSEOが悪用されている話を少し噛み砕いてみる
医療系の情報についてのSEOが悪用されているっていう話について、色々と考えていたんだけど、少しだけ整理できそうだったので、書いてみようと思う。
SEOとかあんまり知らない人向けのつもり。
(白衣の天使:茜さやさん from ぱくたそ)
SEOの悪用が行われる背景について
検索エンジンからの流入を目的としているので、Googleが評価する「ユーザーのためになるサイト」を目指していくのが本来やるべき事なんだけど、(特に儲かるキーワードで)競合も増えているし、成功事例である上位ページのマネをしたり、マナーとか仁義とか無く手当たり次第に取り入れた似通ったサイトが増えてきているのが最近の状況。
また、同様にSEO対策を行う業者もかなり減ってきていて、能力や実績が無いと受注できなくなってきております。いや、能力のある会社や人に仕事が集中しているから他に流れないっていう側面の方が強いかもです。
そこで仕事が不足しているSEOコンサルタントなどが、背に腹は代えられないWebサイトと組んでグレーからブラック寄りのSEO施策をしたり、法律的にグレーだけど儲かる表現などを駆使してとにかく上位を奪っていこうとしていたりします。
中には悪魔に魂を売った堕天使かな? っていう高レベルのコンサルタントがやっちゃってるのも見受けられるし業界内でもフワッと話に出たりするけど、公で名前を言うと呪われるらしいので、あんまり話題になりません。
生きるために生活がかかっていれば悪いことをしてもいいなんて理屈はないので、業界内でもGoogleに文句を言うだけではなく自分たちが作る「良いサイト」で上位表示を占有していこうと、冷戦のような戦いが行われていたりします。
医療系のサイトでSEOが悪用される理由
一言で言うととにかく儲かるからなんですよね。
Webサイトも作っただけでは意味がなくて、そこに人を集めてこそ価値が発揮されるものなのは周知の事実だけど、そこには 集めてどうするのか、どうやって集めるのか、という2つのポイントがあります。
集めると単純にWeb広告から表示数(クリック数)に応じたお金が入りますし、それ以外にもアフィリエイトによる広告商材や自社商材の販売に繋げられますし、何も売れなくてもブランディングとして成立したりします。この辺りはとにかくメリットだらけ。デメリットは下手なことすると叩かれることくらい。
だから例えば有名になった結果叩かれたとしても、それまでの間に一気に商材を売り抜けてしまえばトータルでプラスになるっていう判断もされてしまうんです。
どうやって人を集めるの
そのメリットに向けてどうやって集めるのか? だけど、SNS、広告(リスティング、SNS)、SEO(検索エンジン)が主な流入経路で、SNSはFacebookを中心にリテラシーが低い人が多いので、それっぽい「新事実!」みたいに出せばシェアされてしまったりするんですよね。Twitterでも文句を言いながらもシェアしてしまってたくさんの人の目に触れてしまった結果、悪用サイト側のメリットにつながってしまったり。
SEOもマンパワーでコンテンツを作りまくれば長期間に渡って上位を占有する事も可能なので、長期的には費用対効果がすごく高い。
広告に関しては短期的に効果を出しやすいものの、競合が増えれば単価が上昇して支出が増えていきますし、リアルで取り締まっている法律がインターネット上にも適用されるリスクもあります。
以上のように、広告とSNSについてはFacebookやGoogleなどのプラットフォーム側が取り締まりを強化すればすぐに打つ手が無くなるのに対し、SEOは「検索エンジンの公平性」という大前提があるので、特定の企業やWebサイトを意図的に外す、という手段を取るのが実質的に不可能というのがSEOが悪用されやすい要因だと思います。
それでも個人的にはGoogleが公平性を最優先しているからこそ検索エンジンとして信頼されていると思っているので、悪用されやすいとはいえ仕方ないのかなと。
正しいことをするのは悪いことをするよりお金も労力もかかります。
だからこそ、善意あるWebサイトがより上位となりたくさんの人が正しい情報(少なくとも間違っていない情報)に触れることができるように頑張っていきたいと思います。
他にも色々な業界で困っているところはあるし。
P.S
日本人の知識の少なさの解消や、正しいかどうかを判断する能力を高めるにはどのタイミングでどんな教育をしていけばいいんでしょうかねぇ。。。
受験科目に取り入れたらいいのか、感情を配した理論的な組み立てや、他者との議論をする練習を子供のころから積み重ねていければ解消するのか。
とにかく文系国家なんだなぁと思いつつ、筆を置こうと思います。